販売士養成事前講座【第一回】

学習の4段階について

販売士の資格を取っても役に立たない?

あなたはどう思いますか?

食べていけない。
評価されない。
カリスマ販売員にはなれない。

どれも、捉え方によって、正しい部分もあり正しく無い部分もあります。カリスマ販売員が皆、販売士の資格を持っているかというと、そんなことはありません。むしろ持っていない人が多いでしょう。

では、販売士を勉強することは無駄でしょうか?

そうでないことを、少しお話させていただきます。

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「学習の4段階」をご存知でしょうか?
全ての学習は、以下の4段階を踏むという考え方です。

自動車免許の取得を例に説明します。

運転できるまでの過程を、意識レベルと能力レベルに分けると、

【第1段階】
自動車学校に行く前には、意識もしていないし能力もありません。(無意識で無能)

【第2段階】
自動車学校に通い始めると知識を得ますが、まだ運転技術は得られません。(有意識で無能)

【第3段階】
そのうち路上試験も合格し免許を取得します。ハラハラ・ドキドキですが、注意すれば運転できます。(有意識で有能)

【第4段階】
経験を積み重ねて、音楽を聴きながら、景色を楽しみながら、同乗者と会話をしながら運転できるようになります。そう、運転を意識することなく運転の能力を発揮するのです。(無意識で有能)

第1段階 第2段階 第3段階 第4段階
知識・意識 無し 有り 有り 無し
能力・技術 無し 無し 有り 有り

全ての学習がこの第1段階〜第4段階のステップを踏みます。

そして、第3段階と第4段階の間を繰り返します。

慣れた運転手(無意識・有能)でも、新車に乗り換えたときはちょっと注意しながら運転(有意識・有能)しますよね。

そうやって、第3段階と第4段階を繰り返して、ベテラン運転手と呼ばれるようになるわけです。

では、販売士に話を戻しましょう。

販売士もこの4段階を経て、ベテラン販売員を目指すことになります。

【第1段階】
学習を始める前には、意識もしていないし能力もありません。(無意識で無能)

【第2段階】
販売士のテキストで知識を得ますが、まだ売場では実行できません。(有意識で無能)

【第3段階】
売場でハラハラ・ドキドキですが、テキストで学んだ原理・原則に注意すれば、販売できるようになります。(有意識で有能)

【第4段階】
経験を積み重ねて、お客様の声を聞きながら、お客様の顔色を見ながら、適切な提案をしながら販売できるようになります。そう、販売を意識することなく販売の能力を発揮するのです。(無意識で有能)

ここで必要なのが、有意識レベルの学習ツールです。

昔の職人さんの世界では、「目で盗め」と言って、親切な指導はしませんでしたね。お寿司を握るのに10年かかるなんてこともよく言われてました。今では、3ヶ月でお寿司を学べる学校があります。これは、多くの寿司職人さんが持つ知識やノウハウを集め、原理・原則を抽出したからこそできることなのです。

販売士も同じです。流通の原理・原則の詰まった販売士のテキストがなかったら、「目で盗む」ことになるのです。教え好きの親切な先輩、上司がいたとしても、その会社独特のノウハウだったら、よそで通用しません。どこでも通用する流通業の原理・原則を得られるのが、販売士検定試験(現在はリテールマーケティング検定試験)なのです。

ちょっと長くなりました。次回に繋げたいと思います。

販売士養成事前講座(第二回)

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